Goya Expressシステム概要

2009年,Goya Express,個展,展覧会出品

Goya Expressでは特設サイトgoyaexpress.dip.jpへのアクセスと、アクセスした瞬間のニュース・流行により形状が変化する展示を目指した。
携帯・PCから、goyaexpress.dip.jpへアクセスし、ゴーヤを成長させるため「ゴーヤへ肥料をやる」ボタンをクリックすると、会場へ設置したサーバで以下のプログラムが実行される。
(1-1)
クリックした瞬間の、Google検索上位キーワードを取得。
(1-2)
キーワードの内容をYahoo!ブログ検索の評判検索で検索。
※Yahoo!ブログ検索の評判検索では、入力されたキーワードが使われるブログを検索、ヒットしたブログ内で使われる関連語句からポジティブな表現の単語(ポジティブワード)とネガティブな表現の単語(ネガティブワード)をそれぞれ抽出・解析する機能(評判指数など)がある。
例えば「富士山」を検索すると、ブログで使われた語句からポジティブな表現として「綺麗」「美しい」「見たい」「好き」などが抽出され、ネガティブな表現として「寒そう」「危険」「厳しい」などが抽出される。会場サーバでは、この機能を自動的に利用するプログラムを実行した。
(1-3)
検索結果の分析結果からそのキーワードがポジティブかネガティブかを判定。
(1-4)
検索結果で抽出された、ポジティブワード・ネガティブワードを取得し、それぞれ会場サーバのデータベースへ蓄積。
(2-1)
大手数社のニュースサイトから、クリックした瞬間のヘッドラインRSSを取得。
(2-2)
先のプロセスで取得蓄積した、ポジティブワード・ネガティブワードのデータベースと照合。
(2-3)
照合結果からニュースが明るい話題か暗い話題かを判定。

※データベースとの照合精度を高めるため、goyaexpress.dip.jpから、今気になるキーワードを入力し、上記プログラムを利用してポジティブワード・ネガティブワードを蓄積させることができるようにした。

(3)
検索キーワード・ニュースサイトヘッドライン、2つの判定結果をもとにゴーヤへ与える肥料を、良い肥料にするか悪い肥料にするかを決定。ポジティブワード・明るい話題が多ければ良い肥料、ネガティブワード・暗い話題が多い場合は悪い肥料となる。

良い肥料の場合:

現状より成長したゴーヤの画像をプリンタから長尺紙へ出力。
悪い肥料の場合:
成長が止まった状態でゴーヤの画像をプリンタから長尺紙へ出力。
ゴーヤ画像は実際に栽培したゴーヤの成長記録写真を元に加工し作成、1コマ200mm x 148mm のPDF画像を約150枚用意した。肥料を与えられると1コマずつプリントされる。
毎朝、ギャラリーのオープン時間には小さな葉の画像がプリントされるが、特設サイトへのアクセスとネット上でのポジティブな(またはネガティブな)話題により、成長段階に応じてランダムに選ばれた画像がプリントされる。明るい話題が多ければ、葉が繁り、花が咲き、実がなるといった成長過程が徐々に出力される。逆に、暗い話題が続いた場合、枯れていく画像が出力される。
これらのプログラムは、用途に応じて、Ruby・Perl・PHPを使い分けた。
毎朝この状態から始まる。
徐々に葉が繁り、
花が咲き、
夜には実をつける。
成長の度合いなどは毎日違うパターンでプリントされる。
○会場機材
サーバ
CPU:Intel Core2Duo E6850 3GHz
OS:MacOS 10.5.2
WebServer:Apache2
モニタ機
KOJINSHAミニノートPC(Macintosh Plus型モニタ、IBM PS5530型モニタ)
プリンタ
EPSON PM-G800V ロール紙
USB Webカメラ2台