クワガタリリース(放虫)

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先日、飼っていたヒラタクワガタを、採集した森へ逃がしました。
採集者が多い場所なので、シーズン中はウチで保護していたんです。

そのことを私が顔を出している昆虫関係のBBSへ投稿すると、「放虫」には問題があるのではないか、という意見が返ってきました。
その理由、、、

  • 飼育に使うマット(土)で繁殖したダニや微生物をクワガタとともに自然界へ放つことになり、それらが悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 飼育で与えていた餌は自然界に無い物質であり、それを食べたクワガタが子孫に悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 一旦人工的な餌を何不自由なく食べたクワガタが、自然界で敵と戦いながら食餌できるかどうか疑問。

それに対して、こちらの環境はこんな感じ。

  • 私が今年採集したヒラタは4頭、すべて同じ雑木林。それぞれ別のケースで飼育。飼育にはマットではなく紙くずを使用、4~5日おきに新しい紙くずへ交換。マットからダニや雑菌が移ることはないが、我が家にいるダニ・雑菌は繁殖している可能性あり。
  • 採集場所の雑木林は人工林で、江戸時代~明治時代頃、開拓者によって防風・肥料(落ち葉)・キノコ栽培などのために造られた雑木林。今でも人の手が入っており、椎茸栽培などをしている。人から隔絶された環境ではなく、常に人の出入りがある環境。もし、人由来の雑菌やダニなどが悪影響を及ぼしているとしたら、クワガタはすでに絶滅していると思われる。
  • 昆虫ゼリーが子孫に与える影響、これは否定できない。しかし、遺伝子情報を壊してしまうほど、強い毒性の物質が昆虫ゼリーに含まれている可能性は低いと思われる。ゼリーを与えた期間は最長で約2ヶ月。

私個人的には採集した場所であれば、条件が整っていれば放虫は構わないと考えます。

しかし、採集した場所と異なる場所への放虫は絶対に避けなければなりません。
生物はその地域ごとに違った進化をしています。ヒラタクワガタも例外ではなく、地域ごとに大顎の形状が違うなど異なる特徴があるといわれています。産地以外の場所へ逃がすと、固有の特徴が失われてしまう可能性があります。
ショップで売られている外国産クワガタとの交雑種も見つかっているとの話も聞きますし。

クワガタに限らず、外来種を日本の自然に放すことの問題点はよく指摘されていますが、国産の生物であっても地域が異なれば外来種ではないでしょうか。
淡水魚の生態は悲惨な状況ですね。