十石山

北アルプス

2005年3月21日晴れ

06:33 スーパー林道料金所
08:27 1700m付近
09:48 2100m付近
11:48 十石山山頂
12:20 ドロップイン
14:10 登り返し
15:17 1800m付近
15:59 スーパー林道料金所
午後の早い時間に下山して白骨温泉に入り、愛聴していたラジオプログラムNHK-FM「ミュージック・プラザ第2部ポップス月曜日 萩原健太氏」の最終回を聞きながら帰宅する予定でしたが・・・・

十石山
06:06 乗鞍岳朝焼け
朝起きると10cmほど積雪、すでに雪は止み青空が出ていました。

十石山
06:33 スーパー林道料金所

いよいよ出発。十石山はまったくの初見、昨日登った人がいるのだろうがトレースは消えてしまっている。

十石山
06:46 スーパー林道

今はまだ気温は低い、しかし日の出とともに上昇してくるに違いない、昨晩積もった雪が腐ってしまうのが心配だ。

十石山
06:53 スーパー林道カーブミラー

この後のヘアピンカーブから尾根に取り付いた、赤布があったので分かりやすかった。

十石山
11:17 森林限界付近

1731m付近で後続の塩尻氏(塩尻から来たとのこと)とラッセルを交代しながら進む。しばらく行くと労山系のテントがあり、山頂に向ってトレースが付いていた。この写真の付近でその一行が下ってきた。

十石山
11:48 十石山山頂

山頂からは360°の展望、ガリガリのアイスバーンにクトーが良く効く。塩尻氏に撮ってもらった1枚、バックは穂高連峰。

十石山
11:50 乗鞍岳
展望台といった感の十石山頂からの眺め。

十石山
12:24 頂上直下の斜面
頂上直下の斜面はなかなかの雪質、先行者のトレースのないバーンにシュプールを刻む。

十石山
12:26 森林限界付近から頂上直下を望む
“金沢の先生”風に言うなら、自己陶酔の世界。しかし湿雪にコントロールが出来なくなり、昨日の悪夢がよみがえる。ワックスを塗り直してみようと板を裏返して驚いた、エッジにびっしり氷がこびり付いているのだ。これではターン出来る訳がない。爪でひっかくぐらいでははがれない、どうもキズや錆びのういているところを中心に、広がっていったようだ。ストックの先で削り落とし、NOTwaxを塗布すると滑りが劇的に変わった、初めて使ってみたが値段だけのことはある。
技術、体力、気合だけでは曲がれないことを痛感、これからは板の手入れにも気を使わなければ。
ルートの大半を占める樹林帯は密度が濃く、板は走るものの快適な滑りではなかった。1835mピークを巻き(登りでは通過)、夏道をトレースしようと目印のある急傾斜の尾根に滑り込んだ。ところがこれが大失敗。ひたすら板をずらしながら下降していくが、行きづまってしまう。シュルンドの開いたズタズタの沢状を慎重にトラバース、向こう側をのぞきこむとさらにヒドイことになっていた。何より不安にさせたのは、温泉街がものすごい角度で足下に見えていることだった。このまま行くとザイルが要るのでは?いや、行けるかもしれない、しばらく葛藤が続いた。
2時を過ぎ少し焦りがあった、ラジオを聴くために最悪でも4時には下山したかったのだ。結局、1時間で登り返し、1時間でルートに復帰し下山、という線で行動方針を決定。辛く険しい孤独な雪壁登りが続いた。隠しておいた体力も吸い取られたころ、どうにか登りきった。ザックを投げ出し、すべての水とレーションを胃袋におさめた。ルート復帰は容易だった、私のトレースを追ってきた後続のトレースがあり、ありがたく使わせてもらった。

十石山
16:00 スーパー林道料金所
ラジオのチューナーを合わせると「現在のヒット・チャートから・・・・・」といつものオープニング、どうにか間に合った。オールリクエストとなった最終回、残念ながらポール・サイモンはかからなかった。い意外にも元コンビのアート・ガーファンクルのリクエストが採用されていた。
放送終了の瞬間を松本IC直前のセブンイレブンでむかえた。